相続

遺言書を作成するなら予備的遺言を書こう

相続が起こった場合に”争続”が起こらないようにするように遺言書を作成することがあります。
しかし、遺言書を書いたとしても遺言書の書き方によっては争いになることがあります。
例えば配偶者に自宅を相続してもらうつもりで遺言書を書いたところ配偶者が先に亡くなってしまうケースがあります。
遺言書を書き直せれば良いのですが、書き直す前に亡くなったり、また認知症などで意思能力がなく再度遺言書を書けないこともあります。

遺言書で相続(遺贈)させる人が先に亡くなっていた場合その財産については遺産分割協議が必要になります。
この遺産分割協議で揉めるケースもあります。
これを防ぐために遺言書に予備的遺言を記載する方法があります。

予備的遺言とは

受遺者が遺言者より先に死亡した時は別の人に相続(遺贈)させるということを書いておくことを『予備的遺言』といいます。

例えば、長男に会社を継いで欲しくて遺言書に「長男に会社の株式のすべてを相続させる」と書いていた場合に、もし長男が先に亡くなっていた場合には残った相続人で遺産分割協議をする必要があります。
もし長男の子(遺言者から見たら孫)に長男の代わりに会社を継いで貰いたいたかった場合に長男の子が株式のすべてを取得することが出来ないかもしれません。
長男の子は法定相続分しか主張できません。

これを防ぐ為に「長男が先に亡くなっていた場合は長男の子に相続させる」と書いておくべきです。

トラブルをさける為に予備的遺言を書こう

例えば下記のような家系があるとします。

甲がAに自宅を相続させるという遺言書を書いていた場合、Aが生きていればいいですが、Aが先に亡くなっていた場合には、相続人全員で遺産分割協議をしなければななりません。
この場合、乙・B・D・E・F・G・Hの7人で遺産分割協議をしなければなりません。

兄弟姉妹であればある程度交流が多い傾向にありますが、いとこ同士は交流が少ない傾向に感じます。
(もちろんいとこ同士で交流多いとこもあったり、兄弟姉妹で交流がまったく無いとこもありますが)

普段交流が無いと遺産分割協議は大変です。
相続税の申告が必要な場合、自宅で小規模宅地の評価減の特例を使用しようとした場合、相続開始から10ヶ月以内に遺産分割協議がまとまらないと小規模宅地の評価減の特例が使えません。
更正の請求でも小規模宅地の評価減の特例は出来ますが、当初申告では特例を使わずに申告しなければなりません。
そうなると一旦は申告、納税をしなければなりません。

それでも相続する人が決まればいいですが、下手をすると自宅を売却して現金化して分けるという結果になるかもしれません。

この例の場合、Aが亡くなっていた場合はDに相続させると記載しておけば遺産分割協議の必要が無くなります。

まとめ

予備的遺言が無く遺産分割協議で揉めたケースに関わったことがあります。
遺言執行者が弁護士の先生でしたので、間に入ることはありませんでしたが、それでも大変でした。

他にも遺言書の場合は、遺留分の問題など色々トラブルがあります。
少しでもトラブルの無いように予備的遺言を書くことをお勧めします。

ABOUT ME
秋山 涼
令和に独立開業したひとり税理士です。自分のこと・考えてることなど発信していきます。